さわやか会社員

学生です。

やってること2(結び目理論1)

結び目理論は位相幾何学の中でも「位置の問題」として問われている領域です。

 

今日はこの位置の問題について書こうと思います。

 

数学における結び目というのは、

 

「3次元球面への1次元球面の滑らかな埋め込み」

 

ですが、これについて全部の用語を説明するのはちょっと大変なので書くとしても当分あとにします。

まずはこの定義を「空間内にある閉じた紐」と読み換えて話をしてみましょう。

閉じた紐のみを扱うのは、切り開かれた紐を結んでも前述の「連続的な変形」によって解くことができてしまうからです。

 

さて、大事なのはどんな結び目についても、その実像は閉じた紐であって、これらは全て同相であるということです。

 

結び目理論の目的として最大のものは位相幾何学のときと同じく、

 

結び目の分類

 

であると思います。ところが、結び目そのものを形作っているのは、どんな結び目に対しても「紐」ですから、当然これらは同相なので、これらは位相幾何学においては同じとみなされてしまいます。

 

「結び目」理論と名付けるからには、いくら形式科学とはいえ、我々の知っている「結び目」とある程度の関連を持っていてほしいので、

 

「任意の結び目はすべて等しい」

 

というのが結び目理論の結論になるのはさみしすぎるでしょう。

 

ではどのようにして結び目を区別したらよいのでしょうか?

 

この問題は、結び目を「紐」ではなく、

 

「紐から空間への写像

 

と思うことによって糸口が見つかります。写像が分からない人は関数と読み換えても概ね大丈夫です。

 

これらの写像全体の間に、然るべき同一視を与えます。

これは図形全体に同相という関係を定義するのと同じ道理です。

 

この関係によって二つの写像が同一視されることを、

 

「二つの写像はアイソトピックである」

 

といいます。

アイソトピックであることの定義、すなわち「然るべき同一視」が「然る理由」は、書くのが大変なのでまた今度。

 

ともかくこのアイソトピックという関係は、

 

「二つの結び目が等しい」

 

という文章を読んだ時の「普通の人の直感的な解釈」と意味合いが同じになるように定義されています。

 

位相幾何学の話でかいた図形の「同相」という関係による分類に対して、

以上の話は、図形そのものの関係ではなく写像の「アイソトピック」という関係による分類、読み換えれば、

 

図形の空間への入り込み方

 

であるということができます。

図形そのものではなく、それを含むような大きな空間への入り方、存在の仕方を探るという意味で、結び目理論は「位置の問題」と呼ばれるというわけです。

 

結び目を写像とみなすことで結び目理論がようやく意味を持ち始めることの話を書きました。(実は写像と見なくても区別する方法があるのですが、それはまた今度)